彼岸 -Color, Water, Light and Land-

Duration : 12:00-19:00 (定休日:月曜)

Opening : 2020年10月24日(土)~12月13日(日)

Venue : 東京都港区台場2-2-4 クリニックモール3階

Tel : +81 (0) 3-6426-0726

Web : https://shunartdesign.com/

Artist : ジェフリー・ヘッシング|Jeffrey HESSING

シュンアートギャラリー東京今回の企画展は、上海を拠点とするアメリカ人アーティスト、ジェフリー・ヘッシングによる東京初の個展であり、初のドローイング作品のみの展示となります。
色と生命が振動する彼の絵画には、ありふれた日常の中から素晴らしいものを探し続ける彼自身の行為が反映されています。彼の作品は、ブルックリンからコートダジュール、上海、そして現在はベトナムでの彼の人生経験に共鳴しています。
今年2月のベトナム滞在中にコロナウイルスが蔓延したため、彼は現在上海に帰ることが出来ずにベトナムで立ち往生しています。その間、彼は絵を描くことに時間を費やしました。これらの絵画はフランスのさまざまな地域、中国、バミューダ、スロバキア、イタリア、イスラエルのいくつかの場所からのイメージです。
彼の作品は日記のようなものであり、屋上や橋の上で絵を描く事、そして荒野への旅は、彼の「屋外制作」を冒険に変えました。彼は展示の為に世界各地を訪れており、それが、風景、屋内、街並み、その他の様々なエキゾチックなテーマを作品に提供してきました。
今回展示するドローイング作品には作品を描いた日の日付が記されており、コロナウイルスの影響でベトナムから離れることが出来ずにいる間、異国の地に思いを馳せながら描いた日記代わりの作品となっています。
彼は世界各地で出展歴があり、ボストンと上海にも作品が常設展示されています。是非この機会に日本の多くの方々にも彼の作品を見に来ていただければと思います。

Artist’s Story
アーティストの物語

寒いのは苦手だ。肩がすくみ、背中は丸くなり、胸がキュッとなり、首は縮こもる。どんなに暖かい服を着ても、手足が凍える。私の鼻は顔から突き出ているので、寒さから守るのが大変だ。

1月の上海は寒くてジメジメしていた。私はダナンの温かいビーチで数週間過ごすことにし、ビーチで数週間過ごすのに足りるだけの荷物を小さなバッグに詰めた。もちろん、私の水彩絵の具も忘れずに。

絵を描く事は、楽器の演奏やプロのスポーツ競技に似ていて、毎日の練習が必要なのだ。

その後、世界をコロナウイルスが襲った。国境は閉鎖され、フライトはキャンセルされた。他の国々がロックダウンしている間も、最初はダナンでの生活は通常通りに続いていた。やがてウイルスはここにも侵入し、最初のロックダウンになった。

私はビーチの向かいのホテルに滞在している。15階建ての50部屋あるホテルに、今滞在しているのは私だけだ。一人で部屋におり、私の目には海と水彩絵の具が見えている。

アーティストになって最初の5年間は、墨のみで描いていた。しかし、それは日本式でも中国式でもないスタイルだった。しかし、私は日本の道具、ブラシ、墨が最も寛容性が無いので大好きだ。描いた後は後戻りしたり直したりすることはできない。そのまま続けることも、紙を変えてやり直すこともできる。それは人生と同じだ。

5年後、私は手作りの紙に水彩絵の具で描き始めた。それらは私の今の作品とは異なっていて、より空気感があり、より水っぽく、ほとんどが雲で、下の方に一列の木が描かれていた。

それから私はキャンバスに油彩を描き始め、風景への愛を発見した。冬の屋外で描くためにあらゆる種類の服、電気靴下、南極用のコートを試した。しかしそれでも不可能だった。マサチューセッツでは無理だ。
2年間の研究の後、私は南フランスに移住した。そこには四季があり、冬もあるが、短くて穏やかだ。私はその移り変わりが好きだ。私は40年間、屋外での「戸外制作」を毎日、季節を問わず、風雨の中で描いてきた。

私は今までたくさんの絵画展を開いてきたが、旅行中に描いたドローイング作品の事は誰にも秘密にしていた。

2週間のビーチ旅行が始まってから8か月が経ち、その間にビザを3回更新した。

知っている人が誰もいない未知の場所に行って、一からやり直すことはできるのだろうかといつも思っていた。今、私は知っている。ダナンにはたくさんの友達がいる。私は多くのバーやレストランでなじみの顔になっている。私の数少ない服は段々擦り切れて破れ、段々減っているが、それは大したことではない。最も重要なのは、今私の手元には全く新しい一連の作品があるという事だ。

最初のロックダウンは3週間続いた。その後、3か月間は通常の生活に戻った。 2回目のロックダウンは7週間続いた。今ロックダウンが終わったばかりで、ちょうど雨期に入った。

私は空っぽのホテルの最上階にある自分の部屋に再び隔離された。大洪水の合間に、私はさらに画用紙を買うために店に駆けて行った。波が押し寄せ、嵐の雲が地平線に近づくのを眺めながら、窓際のテーブルで描いている。

絵の具や紙とインクがあれば、他には何も必要ない。それが私のライフラインだ。

Jeffrey Hessing